電線には抵抗があり、長い電線・導体サイズの小さい電線は抵抗が大きくロスが出る。
抵抗が大きい電線では電圧が下がるので受電側の許容範囲によっては十分に動かすことができない
電線の導体サイズと抵抗率の例
値は住友電線の鉛フリー耐熱ポリ塩化ビニル絶縁電線1007
https://sei.co.jp/ewp/J/products/ul_csa/
太さ 抵抗率Ω/m
AWG22 0.057
AWG24 0.091
AWG26 0.140
AWG28 0.240
抵抗率Ωは材質由来のものなので、メーカー・仕様によって多少の前後はある。
上記のAWGサイズ、長さ1m(往復2m)のケーブルで電流を流した場合の電圧降下
抵抗値 0.5A 1A 1.5A 2A
AWG22 0.06 0.11 0.17 0.23
AWG24 0.09 0.18 0.27 0.36
AWG26 0.14 0.28 0.42 0.56
AWG28 0.24 0.48 0.72 0.96
USBケーブルでの話し
5V・0.5Aで動くUSB機器は4.35V~5.25Vで動くことが求められている
5V・0.5A出力の給電側は規格上4.75~5.25V
ソース:マキシム USBコンプライアンステストを考慮したポータブル機器の電源設計
https://pdfserv.maximintegrated.com/jp/an/AN3825J.pdf
最低同士を加味すれば、ケーブルで0.4V以上降下すると動作しない可能性がある。
昔ポータブルHDDのUSBケーブルを導体サイズを考慮せず使用し、スピンアップに失敗したことがあった。
ポータブルHDDはスピンアップ時に多くの電流を要求するので、原因は電圧降下だったのだろう。
1A以上の大電流対応をうたっていないUSBケーブルはAGW28が多い印象
1.5m以下なら0.5A流しても電圧降下は0.4V以下に収まる見込み。
ポータブルHDDを動かせなかったケーブルはAWG28で1.5mだった。
ただし、コネクタの抵抗もあるので、継ぎ足しは用心しなければならない。
親切なUSBケーブルはケーブルに導体サイズの刻印があり、「AWG24・2C AWG28・1P」などと書かれている
2Cは電源の±の2芯、1Pは通信線の1ペア。
通信線はあまり電流を流さないので太さは気にしなくていい。
最近はスマホ・タブレット充電で大電流を求められる機会が増えているので、USBケーブル選びには注意しなければならないと常々思う。
また、充電用USBケーブルの中にはデータ線がつながっていないものがあるが、QC2.0などは充電器と通信して電圧・電流を決めるので機能が使えない。